2021-07-29 ヒルネ(詩) 詩 ある日の午後目を瞑り、ソファに横たわり、お気に入りの音楽を聴きながら、私は旅に出た。扇風機の風は、街を吹き抜ける風になり音楽は孤独を忘れさせる友人となった。時折りグラスの中で、溶け落ちた氷の音が、涼しげに聞こえてくるそれは、通り過ぎていく優しい街の景色の様。深く深く、やさしく、そっと物語が崩れてしまわぬ様に落ちていこう。目が覚めたときに、思い出せることはない、儚く淡い小旅行。けれど、確かにあった言える心地よさだけを残して。